2024年リニューアルOPEN
熊本市北区植木の内科 熊本市北区植木の外科
〒861-0132 熊本県熊本市北区植木町植木448
Tel: 096-272-1527
「感謝、愛、調和、平和」
の心をもった思いやりある医療
AGA男性脱毛症について
ノーウッド・ハミルトン分類 (脱毛の進行度分類です)
・AGA男性脱毛症
当院では、薄毛に悩まれている男性患者様が、少しでも気持ち良い毎日を送れるように、男性型脱毛症の治療に取り組んでいます。
男性型脱毛症(Androgenetic Alopecia 、略称AGA)とは
AGAとは、「Androgenetic Alopecia」を略したものです。
「Androgenetic=男性ホルモンによる」
日本語では、男性ホルモン型脱毛症(男性型脱毛症)と呼ばれます。
多くの男性の頭髪は、加齢とともに、額の生え際・頭頂部のつむじ付近の毛が細く短く軟らかくなっていって、最終的には毛髪が後退・消失してしまいます。
生え際や、頭頂部には男性ホルモンに感受性がある毛包が多く、悪玉男性ホルモンによって毛母細胞の成長が阻害されるからです。
髪の毛は、常に発毛と脱毛を繰り返していきます。
この周期をヘアサイクルと呼びます。通常のヘアサイクルは数年単位です。
一方、AGAの場合はヘアサイクルが数ヶ月と短くなっており、髪が太く長く育つ前に抜けてしまいます。結果として細く短い髪が増えることで薄毛が目立つようになります。
AGAとして治療の対象になるのは、生理的な脱毛よりも、生え際の後退、つむじの拡大が大きく、細く短い毛髪がぽやぽやとみられるケースになります。
これが、治療する「慢性の進行性の脱毛症」という病気です。
男性型脱毛症では必ず、毛が細く短くなる、軟毛化現象が前頭部、頭頂部に起こります。
軟毛化を確認することが診断の決め手になります。拡大鏡やスコープで確認します。
また、ストレスや免疫異常に基づく円形脱毛症、休止期脱毛症、髪を無意識に引き抜く牽引制脱毛症、外傷後のケロイドなどによる瘢痕性脱毛症を除外しなければなりません。
これらを診察の上、確認してから診断し、投薬治療をしています。
AGA患者さんは、日本全国で約1200万人おられるようです。
50歳代以降では約40%の方がAGAを発症されると報告があります。
悩まれて養毛剤などで何らかのケアを、自ら行っている方は、500-600万人と言われています。
基本的には進行していく病気ですので、完全で根治的な治療法は残念ながらありません。
しかし、内服薬と外用剤が発売されてから、ヘアサイクルが延長し、増毛できる患者様が明らかに増えています。
高血圧や糖尿病の治療のように、まじめに毎日お薬を飲み続けること。
頭皮マッサージなどの血液循環を図るなど、継続して治療を続けなければなりません。
治療を中止するとすぐに悪化して脱毛が増えます。
治療は、まずAGAかどうか外来で診断することから始まります。
さらに、治療対象となる男性は、妊娠活動の予定がないかあるいは終了している人が望ましです。
AGAの治療方法
治療の指標を定めた、AGAガイドラインが作成されています。
当院では、治療のガイドラインに沿って、強く勧められている、いわゆる推奨度がAである、薬剤を投与いたします。
第一選択薬はフィナステリド(プロペシア)です。
効果のない場合にデュタステリド(ザガーロ)を投与します。
(AGAガイドラインの抜粋)
治療法 推奨度
フィナステリド(内服薬) A(女性型はD)
デュタステリド(内服薬) A(女性型はD)
ミノキシジル(外用薬・5%、女性型は1%)A
AGAの発症には男性ホルモンが強く関わっています。
ジヒドロテストステロンというDHT、悪玉男性ホルモンが、頭皮の毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体に結合すると、毛根にダメージを与え、毛細胞の成長が抑制されてしまうのです。
悪玉男性ホルモンは、正常な男性ホルモンであるテストステロンが、5-α還元酵素の作用で変換されて作られます。
5α-還元酵素はⅠ型とⅡ型の2種類があります。
Ⅰ型の酵素は全ての細胞・臓器に存在し、脱毛症でターゲットになるのはⅡ型です。
フィナステリドはⅡ型の酵素をブロックし、デュタステリドはⅠ型、Ⅱ型両方とも阻害する作用があります。
フィナステリドとデュタステリドの大きな違いはどの型の酵素をブロックするかだけでなく、半減期(血液中から成分が半分まで減っていく時間)の差もあります。
半年ぐらいしっかり服用すると、フィナステリドは半減期まで2.8-4.2時間、デュタステリドは半減期まで3-5週間かかり、長く体に留まります。
デュタリスドの方が、有効であるとする報告は、この体内にとどまる濃度が関連するようです。
しかし、副作用の点から考えると、フィナステリドは服用を止めればすぐ血液から抜けていき副作用の影響が消えますが、デュタステリドは抜けるまで時間がかかるというリスクがあります。
実際の治療では、フィナステリド(プロペシア)から内服を開始します。
初期投与量は1㎎からです。6か月後に効果を判定します。
6‐12ヶ月たっても効果がない場合に、フィナステリドを2㎎に増量します。
増量しても効果が出ない方には、デュタステリド(ザガーロ)を投与することになります。
ほとんどの患者様が、フィナステリドで効果が出ます。
ご高齢の場合は、5α-還元酵素の濃度が高いため、デュタステリドを使用することもあるようです。
内服薬、外用薬とも効果発現までに期間を要すため、治療は最低6カ月継続します。
★治療費
AGA治療は、健康保険の適用にならない自由診療で行われています。
さらに、AGA治療は所得税の医療費控除も適用外となります。
AGA治療は、国税庁が定義する「容姿を美化し、又は容ぼうを変えるなどのための費用」に該当していて、医療費とみなされないからです。
一方でAGA以外の薄毛に関する疾患は、一部保険適用となる場合があります。
円形脱毛症は、健康保険を利用して治療可能な疾患です。
フィナステリド錠(プロペシア) 6,000円/月
デュタステリド錠(ザガーロ) 12,000円/月 ※当院では現在扱っておりません。
-
副作用
AGA治療薬のフィナステリドとデュタステリドでは、男性ホルモンを阻害する作用機序をもつため、ごくまれに男性機能低下の、勃起障害や性欲減退、軽度のうつ症状や、気分の落ち込み、乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感)など性に関する変化が見られることがあります。
デュタステリドでは、も報告されています。
確率はフィナステリドで1%未満、デュタステリドで4%前後です。
肝機能障害が認められるケースは非常に低い確率ですが、肝臓に持病がある患者様への投与は慎重に行わなければなりません。
服用によって発熱や黄疸、吐き気などの症状が見られた場合、すぐに服用を中止し医師までご相談ください。
また、前立腺癌の腫瘍マーカーPSAの値が、50%程度減少することが報告されています。
前立腺肥大症でPSAをフォローされている患者様は、jissaiより低く数値が出てしまうため注意が必要です。
★注意点
・フィナステリドやデュタステリドを内服して1-2か月で、急激な脱毛を見ることがあります。
比較的若い40歳未満の方に多いようです。
しかし、そういう患者様こそ、その後の増毛がしっかりとみられる傾向にあります。
新しい健康な毛髪が、古くて細いAGAの毛髪を押し出しているのではないかと、考えられています。壮年期になると反応が遅くなるため、効果の確認は6-12か月を要します。
・内服薬は1日1回、毎日必ず服用します。いつ服用しても良いです。忘れていたら眠前に服用しても良いです。
・効果について、目標はまず、脱毛の進行を抑制することです。
次に、毛母細胞の活力がもどり、増毛することです。
効果判定には客観的な評価が必要です。
自分でも、毎月、頭、毛髪、の写真を撮ることをお勧めしています。